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解決事例

2026.07.25
不動産の名義変更|相続で失敗しない手続きと2027年期限

「親名義のままの実家を、そろそろ何とかしたい」「配偶者が亡くなり、家の名義をどうすればいいかわからない」。相続にともなう不動産の名義変更で、こうした悩みを抱える方は少なくありません。手続きには期限があり、放置すると思わぬ不利益につながることもあります。

この記事では、相続による不動産の名義変更について、期限・必要書類・費用・手続きの流れを、専門用語をかみくだいて整理します。千葉県内で相続のご相談を数多く受けてきた立場から、実務で役立つ視点もあわせてお伝えします。

相続による不動産の名義変更とは

この章では、相続にともなう不動産の名義変更が何を指すのか、全体像を押さえます。

名義変更とは「相続登記」のこと

不動産の所有者が亡くなると、その不動産は相続人へ引き継がれます。民法896条では、相続人が被相続人の権利義務を承継すると定められています。この引き継いだ事実を公的な記録に反映させる手続きが、不動産の名義変更、いわゆる相続登記です。名義を変えておかないと、売却や担保設定、次の世代への引き継ぎがスムーズに進みません。

2024年から名義変更が義務になった

これまで相続登記は任意でしたが、2024年4月1日から義務になりました。不動産登記法76条の2により、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務が課されています。

昔の相続も対象になる

見落としやすいのが、義務化前の相続も対象になる点です。2024年4月1日より前に相続した不動産の相続については、2027年3月1日より前に相続登記を完了させる必要があります。不動産を相続で知ったことが2024年4月以降の場合は、知った日から3年以内に、相続登記を完了させる必要があります。実務でご相談を受ける中でも、「昔のことだから関係ない」と思い込んでいたケースがあります。

名義変更を始める前に整える3つの準備

この章では、手続きに入る前に整えておきたい準備を3つに分けて説明します。

遺言書の有無を確認する

遺言書があるかどうかで手続きが変わります。ここで注意したいのは、自筆の遺言書を見つけても、そのまま名義変更に使えるとは限らない点です。公正証書遺言と、法務局で保管されている自筆証書遺言を除き、家庭裁判所での検認という手続きを経なくては、名義変更手続きを行うことは出来ません。

相続人を確定する

誰が相続人かを、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどって確定します。相続人が多いほど、この確認に時間がかかります。

対象の不動産を洗い出す

まず、亡くなった方がどの不動産を持っていたかを確認します。遠方の土地や小さな土地は家族が把握していないことが多く、見落としがちです。2026年2月2日から始まった所有不動産記録証明制度を使うと、被相続人名義の不動産を一覧で確認でき、見落とし防止に役立ちます。

相続登記の手続きの流れ

この章では、名義変更の全体の流れをステップで確認します。

手続きは7つのステップで進む

おおまかな流れは次のとおりです。

1.遺言書の有無を確認する
2.戸籍をたどって相続人を確定する
3.対象の不動産を調べる
4.遺産分割の話合い、または法定相続分で整理する
5.必要書類を集める
6.申請書を作成する
7.管轄の法務局へ申請する

話合いが長引くときは相続人申告登記

遺産分割の話合いがまとまらないまま期限が近づくこともあります。そのときは、不動産登記法76条の3にもとづく相続人申告登記が使えます。自分が相続人であることを申し出ることで、期限内に義務を果たした扱いになります。ただし、これは正式な名義変更の代わりではありません。話合いがまとまった後、あらためてその結果にもとづく登記が必要です。効果が及ぶのも申し出た本人だけで、家族の誰か1人が行えば全員分が済むわけではありません。

提出先は不動産の所在地で決まる

申請先は、住所地ではなく不動産の所在地を管轄する法務局です。千葉県内でも地域ごとに管轄が分かれます。ご自身で申請する場合は、まず所在地の管轄を確認するところから始めてください。申請は窓口への持参のほか、管轄の法務局が遠方の場合には、郵送やオンラインという方法も選べます。

名義変更に必要な書類

この章では、必要な書類と、収集の負担を減らす仕組みを紹介します。

共通して必要になる書類

被相続人の出生から死亡までの戸除籍謄本、相続人の戸籍、新しく名義人になる方の住民票、そして固定資産評価証明書です。評価証明書は登録免許税の計算に使うため、申請する年度のものをそろえます。

遺産分割がある場合の追加書類

相続人どうしで話し合って分け方を決めた場合は、遺産分割協議書と、相続人全員の印鑑証明書が加わります。協議書には実印を押し、その実印を証明するために印鑑証明書を添えます。

書類集めを楽にする仕組み

窓口申請あるいは郵送にて、本籍地の市区町村に戸籍証明書等の請求をする必要があります。2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書等を請求できる広域交付が開始されました。

ただし、利用できる範囲には条件があり、郵送や代理人請求は使えないため、ケースによっては従来どおり直接本籍地の窓口に出向いて申請、あるいは郵送にて、本籍地の市区町村に請求する必要があります。

法的相続情報一覧図という書類を作成しておくと、それ自体が戸籍証明書等の代わりになるため、相続手続きが円滑になります。法務局にて交付申出が可能です。

名義変更にかかる費用と期間

この章では、名義変更でかかる費用と、手続きにかかる期間の目安を整理します。

登録免許税は評価額の0.4%

名義変更でかかる代表的な税金が登録免許税です。相続による所有権移転登記では、固定資産税評価額の0.4%が基本です。たとえば評価額1,000万円なら、原則4万円です。一定の要件を満たす土地には税を抑えられる特例が設けられていますが、建物は対象外であり、適用の可否は個別の状況により異なります。おおまかな費用の内訳は次のとおりです。

費目

目安

メモ

登録免許税

評価額の0.4%

評価額1,000万円で原則4万円

書類の取得実費

数千円程度

戸籍・住民票・評価証明書など

専門家への報酬

10万〜25万円前後

案件の複雑さで変動

専門家に頼む場合の報酬の目安

相続人の人数や不動産の数、案件の複雑さで大きく変わります。費用内訳についてきちんと説明してくれる専門家をおすすめいたします。

手続き完了までにかかる期間の目安

期間は案件によって幅があります。一般的な案件で1〜2か月が目安です。数次相続や相続人多数、遠方不動産などがあると、数か月から1年以上かかることもあります。各法務局は登記の完了予定日を公表しており、混み具合によって審査にかかる日数は前後します。

名義変更でつまずきやすい誤解と注意点

この章では、ご相談で多い誤解と、失敗を防ぐ視点を紹介します。

「話合いが終わるまで放置してよい」という誤解

遺産分割がまとまるまで何もしなくてよい、という思い込みは危険です。期限内に正式な登記が間に合わないと見込まれるときは、先に相続人申告登記で期限管理をしておく必要があります。

「昔の相続は関係ない」という誤解

義務化前の相続でも、未登記なら対象です。放置していた昔の相続は、次の相続が重なって相続人が増える「数次相続」に発展しやすく、戸籍も印鑑もそろえにくくなります。現場では、この段階でご相談に来られる方が少なくありません。

「税の通知先を変えれば名義も変わる」という誤解

固定資産税の通知先を変えれば登記名義も変わる、という誤解もあります。税の手続きと登記の手続きは別に進める必要があります。登記手続きを放置したままにすると、10万円以下の過料の対象になることもあります。

自分でやるか、専門家に依頼するか

この章では、名義変更を自分で進めるか、専門家に頼むかを判断する基準を整理します。

自分で進めやすいケース

相続人が少なく、遺言や話合いの内容が明快で、対象の不動産も近くにまとまっている場合は、自分で進めやすいです。戸籍収集や申請書作成に取り組む時間を確保できること、平日の日中に窓口へ足を運べることも条件になります。書類に不備があると補正のやり取りが発生し、完了まで時間が延びる点も見込んでおきましょう。

専門家に頼んだ方がよいケース

相続人が多い、数次相続になっている、不動産が複数の地域に散らばっている、遺言の有効性に不安があるといった場合は、難易度が急に上がります。こうしたケースでは、司法書士へ依頼した方が結果的に早く、確実な場合があります。なお、税額の最終判断は税理士、争いがある場合は弁護士など、内容に応じた専門家との連携も必要です。

千葉県内で相談するなら

千葉県では使われていない住宅の蓄積が進み、県内の空き家は39万戸を超えています。65歳以上の世帯員がいる世帯も100万を大きく上回り、当事者が非常に多い地域です。とくに単身の高齢世帯では、家族が不動産の所在を把握しきれていないことも珍しくありません。成田・四街道・柏では不動産の管轄も分かれるため、地域の事情に詳しい専門家に相談すると、初動から迷いなく進められます。

まとめ:相続による不動産の名義変更は早めの一歩から

相続による不動産の名義変更は、2024年から3年以内の申請が義務になり、昔の相続も原則2027年3月31日までの対応が必要です。まずは対象の不動産を洗い出し、遺言と相続人を確認するところから始めましょう。書類集めには広域交付や法定相続情報証明制度が使え、話合いが長引くときは相続人申告登記という選択肢もあります。

千葉県最大級の司法書士事務所ふらっと

書士法人ふらっとでは、成田市・四街道市・柏市の3拠点で不動産の名義変更に関するご相談を受け付けています。対面相談はもちろん、オンラインでの無料相談にも対応しており、夜間や土日祝日も事前予約によりご利用いただけます。「うちの場合は何から始めればいいのか」という段階からお気軽にご相談ください。

当事務所は創業20年以上の実績を持ち、これまでに累計8,500件以上の相続相談に対応してきました。相続・遺言・家族信託など幅広い分野の相談窓口を運営しており、経験豊富な司法書士がチームでサポートいたします。(相続相談件数:2026年4月時点)

不動産の名義変更でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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この記事の担当者
司法書士法人ふらっと 代表 菊地 裕文
保有資格代表司法書士
専門分野家族信託 相続 遺言 生前対策
経歴司法書士法人ふらっとの代表を務める。大学在学中にに司法書士試験に合格。 平成16年司法書士登録し、成田市にて司法書士事務所を開業 。平成25年司法書士法人ふらっとを設立し、四街道事務所を開設
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