遺産分割協議書とは
遺産分割協議書は、被相続人(亡くなった方)の預金や不動産などの名義変更をする際に必要となる書類です。
遺産分割協議書が完成すれば、各種の名義変更を円滑に進めることができます。
また、遺産分割協議書を作成していなかったことが原因で、相続人の間でトラブルが起こることもありますので、充分にご確認ください。
遺産分割協議に必要な書類
相続人の確定と、すべての遺産(相続財産)の調査を終え、次の手順となるのが遺産分割協議書の作成です。
相続開始により、遺産は法定相続人の共有となります。それを個々の財産に分けるための協議を遺産分割協議といいます。
遺産分割協議が終わると、相続人全員の共有であった遺産が、それぞれの所有物となります。
この遺産分割協議の内容を記載した正式な文書を、遺産分割協議書といいます。
「誰が何を相続したのか」を対外的に主張することが、遺産分割協議書によってできます。
しかし、相続人は遺産分割協議書に拘束され、内容の書き換えはできません。
もしどうしても書き換えを行いたいという場合は、相続人全員の合意を取らなければなりません。
遺産分割協議書の書き方
遺産分割協議書を作成する上では法律的に決められた書式はありませんが、いくつか注意点がありますので、下記をよくご確認ください。
●相続財産となる不動産の表記は住所ではなく、登記簿に沿った表記にする
銀行等は、支店と口座番号まで記入してください。
●割り印が必要な遺産分割協議書が数枚にわたる場合、法定相続人全員の実印で契印(割り印)する
●実印の押印と共に、印鑑証明書も添付する
●法定相続人が全員で遺産分割協議を行わなければ、効力はない
間違いのないように戸籍調査の上、相続人が確定したら、必ず全員で協議をしてください。
※全員が一か所に集まって協議しなければならないということではありません。ここでは全員が承諾した事実が必要とされます。
例えば、遺産分割協議書の案を作成し、他の相続人全員に確認してもらってその内容でよければ実印を押してもらう、という方法も考えられます。
●署名・実印の押印する(法定相続人全員)
不動産や預金の名義変更には実印が必要になりますので、印鑑は実印をご使用ください。なお、厳密には署名は記名でもかまいません。しかし後々の揉め事などを防ぐため、署名にすることをおすすめいたします。